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撮影のコツ

極軸合わせの実際:北極星から始める

追尾の質を決める極軸合わせを、手順と精度の目安まで踏み込んで解説する。

更新: 2026-06-20

極軸合わせは、赤道儀の回転軸を地球の自転軸(天の極)に正確に向ける作業です。

ここが甘いと、追尾していても星が少しずつ流れてしまいます。

天の極
地球の自転軸を空に延長した点。北半球では北極星(ポラリス)のごく近くにある。赤道儀の極軸はこの点に向ける。

なぜ重要か

極軸の向きがわずかにずれると、追尾しても星が円弧状にゆっくり流れます。長時間露光になるほど、このズレが目立ちます。

初心者向けまずは:北極星を使った基本手順

北半球では、北極星が天の極のすぐ近くにあるため、これを基準に合わせます。

  1. 三脚を水平に据え、ぐらつかないよう安定させる
  2. 赤道儀の緯度(高度)目盛りを、撮影地のおおよその緯度に合わせる
  3. 赤道儀全体を回し、北極星の方向(真北)へ大まかに向ける
  4. 極軸望遠鏡やのぞき穴から北極星を導入する
  5. 上下(高度)と左右(方位)の調整ネジで、北極星を所定の位置に追い込む
  • 高度の調整は緯度ネジ、方位の調整は左右の微動ネジで行う
  • 北極星は天の極とぴったり同じ点ではないので、指標に沿った位置に置く
  • 極軸合わせ用のスマホアプリで、いま北極星を指標のどこに置くべきかを確認すると合わせやすい
短焦点・短時間露光なら、北極星をのぞき穴の中心付近に入れる簡易な合わせでも実用になります。まずはここから始めましょう。
上級者向けもっと詳しく:精度を上げる方法と確認

極軸合わせの2つの方法

極軸望遠鏡で合わせる

  • 北極星を指標の所定位置に導入する
  • 設置が速く、現場で完結する
  • 精度は指標の読み取りと据え付けに依存
  • 短〜中焦点の撮影に十分実用的

ドリフト法で追い込む

  • 実際の星の流れを見てズレを補正する
  • 時間はかかるが極めて高精度
  • 天の極が見えない南向きの環境でも可能
  • 長焦点・長時間露光で威力を発揮
ドリフト法
南の空と東西の空の星を一定時間監視し、星が上下にずれる方向から極軸の誤差を割り出して微調整する方法。手間はかかるが高精度。

極軸の必要精度は、焦点距離と露光時間で変わります。

焦点距離が長く露光が長いほど、わずかなズレが星の流れとして現れます。

撮影スタイル必要な極軸精度推奨手段
広角・短時間(〜数十秒)ゆるい(のぞき穴で可)簡易導入
中焦点・数分露光中程度極軸望遠鏡で指標合わせ
長焦点・長時間高精度ドリフト法またはガイド併用

合ったかどうかの確認

極軸合わせ後、追尾をオンにして30秒〜1分のテスト露光をします。星が点のままなら成功。一定方向に流れていれば、その方向からズレを判断して再調整します。

  • 脚が沈む柔らかい地面では、設置後に極軸がずれることがある
  • 機材の付け外しで本体が動くと極軸も狂うので、合わせは最後に行う
  • オートガイドは極軸の小さな誤差を補正できるが、合わせの代わりにはならない
極軸合わせは追尾の土台です。ここを省くと、いくら高価な赤道儀やガイドを使っても星は流れます。露光を伸ばす前に必ずテスト露光で確認しましょう。

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