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画像処理・編集

コンポジット(複数枚を重ねる)

同じ対象を何枚も重ねてノイズを消し、淡い星雲を浮かび上がらせる中核技術。

更新: 2026-06-20

コンポジット(スタック)は、同じ対象を撮った複数枚を位置合わせして重ね、平均する処理です。天体写真の画質を決める最も重要な工程です。

コンポジット(スタック)
同一対象の複数枚を重ね合わせて合成すること。ランダムノイズが平均化され、淡い対象が見えてくる。

スタックまでの基本フロー

ライト撮影ダーク減算フラット除算位置合わせスタック現像
初心者向けまずは:なぜ重ねると良くなるのか

1枚の写真には、星雲などの「本当の光」と、ランダムに散らばる「ノイズ」が混ざっています。

  • 本当の光は毎枚ほぼ同じ位置に写る
  • ノイズは毎枚バラバラに出る
  • だから重ねて平均すると、光は残りノイズは打ち消し合う
  1. 同じ対象・同じ設定で複数枚撮る
  2. スタックソフトに読み込む
  3. ソフトが星を基準に各枚を自動で位置合わせする
  4. 重ね合わせた1枚を書き出す
枚数は多いほど効果的です。まずは合計の露光時間を増やす意識で、可能な範囲でたくさん撮りましょう。
上級者向けもっと詳しく:SN比とスタック法

ノイズの改善量はおおよそ「枚数の平方根」に比例します。4枚で約2倍、16枚で約4倍、SN比(信号対雑音比)が改善します。

SN比(信号対雑音比)
本当の光(信号)とノイズの比。大きいほど淡い対象がノイズに埋もれず見える。
枚数ノイズ改善の目安
4枚約2倍
9枚約3倍
16枚約4倍
100枚約10倍

平方根に比例するため、枚数を増やすほど1枚あたりの効果は逓減します。16枚から36枚へ倍以上に増やしても改善は約4倍から6倍までです。効率と労力のバランスで上限を決めましょう。

重ね方(合成アルゴリズム)の選択

平均 vs シグマクリップ

平均

  • 最もノイズが下がる(理論限界に近い)
  • 計算が単純で速い
  • 飛行機・人工衛星の軌跡がそのまま残る
  • 外れ値の混入に弱い

シグマクリップ

  • 各画素で外れ値だけ除外してから平均
  • 軌跡・宇宙線・薄雲のコマを自動で弾く
  • 枚数が多いほど判定が安定する(目安10枚以上)
  • 除外する分わずかにノイズ改善は劣る
  • 平均:最もノイズが下がるが、飛行機や人工衛星の軌跡が残りやすい
  • 中央値(メジアン):外れ値に強く、軌跡を消しやすいが効率はやや落ちる
  • シグマクリップ(カッパシグマ):外れ値だけ除外して平均する。枚数が多いとき有効
枚数が10枚未満ならメジアン、10枚以上あればシグマクリップが扱いやすい目安です。軌跡が1〜2枚にしか写っていない場合は、その枚を外して平均しても消えます。
大気の揺らぎでにじむ惑星や、移動しながら核と尾の位置がずれる彗星には、専用の手法(惑星は動画から良像だけ選ぶラッキーイメージング、彗星は核を基準にした位置合わせ)を使います。
位置合わせの基準にできる星が少ない構図(極端な低空・薄雲)は、スタックに失敗しやすくなります。星が十分写る露出で撮りましょう。

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