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図鑑(コレクション)

メシエマラソンに挑む

一晩でメシエ天体をできるだけ多く集める。挑戦の段取りとコツ。

更新: 2026-06-20

メシエマラソンは、一晩でメシエカタログの天体をできるだけ多く観測・撮影する挑戦です。図鑑を一気に埋める、天体写真の名物イベントです。

なぜ「マラソン」なのか

全110天体を日没直後から夜明けまで、空を西から東へ追いかけて次々と捉えます。時間との勝負になるため「マラソン」と呼ばれます。

初心者向けまずは:いつ挑むか

メシエマラソンには最適な時期があります。やみくもに挑むより、条件のそろう日を選ぶのが成功の鍵です。

  • 適期は3月下旬から4月上旬。北半球の中緯度で、全110天体に手が届く数少ない時期
  • この時期は太陽が天球上で「メシエ天体の少ない領域」にいるため、夜の間に多くの対象を拾える
  • 新月に近い夜を選ぶ。月明かりがあると淡い対象が見えなくなる
  • 一晩中晴れる予報の夜を選ぶ。途中で曇ると西に沈む対象を取り逃す
最初から全110天体を狙う必要はありません。まずは「一晩で20〜30個」を目標にすると、無理なく楽しめます。
初心者向け一晩の流れ

対象を捉える順番が決まっているのがメシエマラソンの特徴です。沈む順・昇る順に追いかけます。

メシエマラソンの夜の進行

日没直後:西に沈む冬の対象を最優先で押さえる(M74・M77 など)宵:南の空のおとめ座・かみのけ座の銀河群をまとめて拾う夜半:夏の天の川の星雲・球状星団へ移る夜明け前:東から昇る秋の対象を最後に捉える(M30 が最難関)
日没直後と夜明け前は、対象が低空にあり薄明とも競争になります。先に沈むもの・最後に昇るものほど時間の余裕がありません。
上級者向けもっと詳しく:取りこぼさないコツ

限られた一晩で数を伸ばすには、段取りと判断基準が物を言います。

  • 事前に「沈む順」のチェックリストを用意する。日没直後の数十分が最も取りこぼしやすい
  • 1天体あたりの撮影は短時間に割り切る。じっくり撮るのではなく「図鑑に記録する」ことを優先する
  • 近い対象はまとめて撮る。おとめ座銀河群は密集しており、向きを変えずに複数を拾える
  • 低空の対象は南中を待たず、見えるうちに先に押さえる
  • 後から正確に紐づけられるよう、撮影順と方角をメモしておく
薄明(はくめい)
日の出前・日没後に空がうっすら明るい時間帯。天文薄明が終わるまで・始まるまでが、低空の暗い対象を狙える勝負どころ。
夜明け前のM30は、薄明が始まる直前の低空に昇ります。最難関とされ、これを捉えられるかで完走が決まります。空の透明度が高い夜を選びましょう。

撮った後の紐づけ

一晩で大量に撮ると、後の天体特定が大変になります。天体の自動特定(Platesolving)を使うと、どの写真がどのメシエ天体かを効率よく確定でき、図鑑への登録がはかどります。

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